世界海事大学奨学生のみなさんが、神栖庁舎を見学に訪れました
令和7年5月15日、世界海事大学(World Maritime University: WMU)の学生のみなさんが神栖庁舎を見学に訪れました。WMUは国際海事機関(IMO)によりスウェーデンのマルメに設立された大学院大学で、世界各国の政府機関を中心とする海事関係者が海事に関する高度な知識の習得に励んでいます。海事とは、海洋での人間活動に伴って生ずる事柄のことで、海運や船舶に関わることを中心に幅広い概念を含みます。笹川平和財団は日本財団の助成を受け、WMUで学ぶ海事行政官を対象として奨学金を提供しており、その奨学金の受給者を研修旅行の形で日本に招聘しています。
このたび、その研修旅行のプログラムの1つとして、奨学生の皆様、および通訳の方なども含め、総勢40名が神栖庁舎を見学に訪れました。神栖庁舎では、庁舎を代表して高橋拠点長が挨拶したのち、本田水産工学部長、齊藤副部長、大村主幹研究員が、スライドを用いて水産工学部の研究を紹介しました。その後に、船舶の航行の安全の研究が幅広く展開されている「海洋工学総合実験棟」、船舶の燃費に関わる船体抵抗の研究を中心に使用されている「回流水槽実験棟」、魚群探知機などの音響の研究が実施されている「測器電子機器実験棟」、漁港や漁村の安全を守るために波や津波についての研究が行われている「漁港水理実験棟」の4棟の実験施設をご案内しました。
最後に設けた質疑応答の時間には、研究成果の社会実装や研究成果と法令とのすり合わせに関する質問などが飛び出し、その着眼点はさすが行政官と思わせるものでした。見学の成果が世界の水産業の発展の一助となり、海洋の平和と発展に貢献してくれればと思います。

海洋工学総合実験棟について説明する松田主幹研究員

回流水槽実験棟について説明する三好グループ長

測器電子機器実験棟で音響研究について説明する
今泉主幹研究員

漁港水理実験棟で波を起こし説明する大井主任研究員