国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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隠塚俊満主任研究員が、日本環境毒性学会進歩賞を受賞

掲載日:2025年10月28日

 

 隠塚俊満主任研究員が、日本環境毒性学会の進歩賞を受賞し、日本環境毒性学会2025年度総会において表彰されました。

 

受賞者の画像

隠塚俊満(水産技術研究所環境・応用部門環境保全部主任研究員)

課題名

防汚物質を中心とした有害化学物質の海域における生態リスク評価研究

受賞日

2025年10月24日

受賞研究課題の意義

 この賞は、日本環境毒性学会により、環境毒性学の研究分野で顕著な業績を上げ、環境毒性学の発展と展開に大きく貢献した者に授与されるものです。
 隠塚主任研究員は、海域における有害化学物質の生態リスク評価研究において、殺生物作用が強く、海産生物への影響が懸念されている防汚物質を中心に、その分解物も含めた生態影響や環境中濃度から生態リスクを精緻に評価することに取り組んできました。

 一連の研究で特筆すべきものとして、船底塗料用防汚物質であるシーナインの水中濃度がマガキ胚の成長に影響を及ぼす濃度を超えている海域があり、生態リスクが懸念されることを実海域における調査に基づいて明らかにした事や、漁網用の防汚物質であるトリフェニル(オクタデシルアミン)ボロンの生態リスク評価研究を世界に先駆けて実施し、我が国沿岸域におけるリスクは低いことを明らかにした事が挙げられます。

 また、研究成果の普及のための専門書の出版や、環境省の生態リスク評価委員会や化審法評価支援等検討会等の委員としての行政施策への貢献に加え、分野の発展のために学会運営に尽力した点も高く評価されました。

学会名

日本環境毒性学会