国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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吉野友晃研究員が、第12回アジア魚病学会ポスター賞を受賞

掲載日:2025年11月10日

 

 2025年9月23日~9月27日にインド・チェンナイで開催された12th Symposium on Diseases in Asian Aquaculture(DAA12, 第12回アジア魚病学会)において、病理部免疫グループの吉野友晃研究員がBest Poster Presentationを受賞しました。

 

受賞者の画像

吉野友晃(左端から2番目)(水産技術研究所養殖部門・病理部免疫グループ 研究員)

課題名

First report of Lactococcus petauri infection in marine fish species in Japan and its pathogenicity in Striped Jack and Thread-sail Filefish                                                  

(日本の海水魚におけるLactococcus petauri感染症の初報告およびシマアジとカワハギに対する病原性)

受賞日

2025年 9月26日

受賞研究課題の意義

国内の養殖業において最も被害額が大きいα溶血性レンサ球菌症は、複数種の細菌を原因とする感染症の総称です。

本研究では、α溶血性レンサ球菌症の原因菌種を魚種ごとに調査し、従来知られていた原因菌に加えて、わが国ではこれまで報告のなかったLactococcus petauriという細菌も流行していることを初めて明らかにしました。

さらに、本種を対象とした血清学的性状解析や生化学的性状解析により、その細菌学的特徴を明らかにしました。

また、感染試験によりシマアジとカワハギに対する病原性を確認しました。L. petauriによる感染症は、過去数年間において世界中で発生が報告されており、主に淡水におけるニジマスやティラピア養殖で深刻な魚病被害をもたらしています。

これらの成果は、海水養殖においても本菌が流行していることを初めて明らかにしたものであり、αレンサ球菌症の対策に大きく寄与すると認められ、今回の受賞に至りました。

学会名

第12回アジア魚病学会