浮魚礁周辺におけるマグロ類の蝟集行動
沖縄県水産試験場 漁業室
[連絡先]098-994-3593
[推進会議]西海ブロック
[専門]資源生態
[研究対象]まぐろ
[分類]研究
[ねらい・目的と成果の特徴]
- キハダ・メバチのパヤオへの蝟集メカニズム,パヤオでの滞在期間,パヤオ間の移動などパヤオ周辺に集まるマグロ類の行動を,コード化音波発信機および自動記録型受信機の長期モニタリングシステムを用いて明らかにする。
- (1)パヤオに集まるキハダ・メバチは,長時間パヤオから離れることなく連続的に滞在し,その滞在期間(中央値)は両種とも約7日間であった。
- (2)パヤオを基点とした日周期的な水平行動パタンが認められた。
[成果の活用面等]
- 資源量推定の基礎データ,漁業の効率化に資する。
[具体的データ]
コード化超音波発信機で標識したマグロ類1-3歳魚(キハダ54尾,メバチ8尾)について,沖縄諸島周辺海域の大型耐久性浮魚礁7基に設置した自動記録型受信機により長期モニタリングを行った。
図1.生存時間分析によるパヤオでの滞在日数
A)24 時間以上の受信ブランクなく連続的に滞在した期間,B)24 時間以後の再受信,25 マイル以内での再捕,移動を含む断続的に滞在した期間.(キハダ:●,メバチ:○).
図2.1 時間あたりの受信頻度の変化パタン
各図7 日間のデータ.黒横棒は夜間(19時00分-6時00分).受信範囲は約半径550m.
A)夜間にパヤオのそば,昼間は受信範囲内外を出入り.キハダの39%,メバチの27%に認められたパタン。B) 昼―夜間にパヤオを離れる。メバチの73%に認められたパタン。*その他3 パタンあり.