人工衛星海表面水温画像によるマアジ産卵場の探索
西海区水産研究所 石垣支所 海洋環境研究室
  [連絡先]0980-88-2869
  [推進会議]西海ブロック
  [専門]海洋構造
  [研究対象]あじ
  [分類]研究
  [ねらい・目的と成果の特徴]
- 海表面水温分布とマアジ卵稚仔の分布との関連を探索することによって、マアジ産卵場を特定し、その季節変動を把握することを目的とする。
 - 船舶観測が難しい東シナ海南西部海域の水温特性の把握によって、中規模海洋構造とマアジ産卵場との関連が明らかになりつつある。
 
  [成果の活用面等]
- マアジ資源の変動予測と適正管理手法の開発
 
  [具体的データ]

  図:図は2002年3月上旬の東シナ海南部の海表面水温図である。農林水産技術会議プロジェクト研究FRECS2の他課題の調査、および「臺灣的仔稚魚」(丘 臺生 著 国立海洋生物博物館)によると、北緯26度東経122度付近の海域から卵および稚仔魚が数多く採集されている。卵稚仔が多数出現する海域の水温分布を図で見ると、台湾の北部から北に、周囲より水温が低い細長い水域があることが分かる(破線で囲ったところ)。これは年間を通じて観測されているが、特に冬期から春期に顕著に現れる。また、破線の海域の東側には湧昇があるといわれており、マアジの産卵場はこうした中規模海洋構造の周辺に形成される可能性が高いと思われる。