国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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鹿児島県海域におけるヌタウナギ分布について

鹿児島県水産試験場 漁業部
[連絡先]099-226-6415
[推進会議]西海ブロック
[専門]資源生態
[研究対象]他の底魚
[分類]研究


[ねらい・目的と成果の特徴]

  • 今まで日本でほとんど利用されなかったヌタウナギは,主に韓国で消費され,大きな需要がある。鹿児島県において,未利用資源であるヌタウナギの有効利用を図るため,鹿児島県海域におけるヌタウナギの分布及び密度調査を行い,体長,体重等漁業試験に関する基礎資料を得て,漁家経営の安定を図ることを目的とする。


[成果の活用面等]

  • 未利用資源のヌタウナギを活魚により韓国へ出荷することにより,漁家経営の安定を図る。


[具体的データ]

図1
図1 鹿児島南部の地図

 

図2
図2 ヌタウナギ肛門長組成(H12~14全海域)

 

図3
図3 ヌタウナギ水深・底質別漁獲率(1籠当り入籠尾数)(H12~14全海域)
1 体長:体長範囲は,16~18 cmで,モードは30cmにあり,平均体長 32.0 cmだった。
2 体重: 体重範囲は,20~420 gで,モードは60 gにあり,平均体重 90.4 gだった。
3 水温: 漁獲された水温は,11.95~22.57 ℃で,16.0~22.0℃で多く漁獲された。
4 水深: 漁獲された水深は,30~150 mで,30~110 mで多く漁獲された。
5 中央粒径値(Mdφ):漁獲された底質は,0.75~4.21で,2.50~3.00で多く漁獲された。
6 総括:鹿児島県本土の沿岸におけるヌタウナギは,底質が2.5~3.0(中央粒径値),水深が110m以浅で,水温が約12~23℃に多く分布し,漁獲は初夏に多く冬場が少ない傾向が見られた。