国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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高水温や色落ちに強いノリ養殖品種の開発

熊本県水産研究センター養殖研究部
[連絡先]0964-56-5111
[推進会議]西海ブロック
[専門]水産遺伝育種
[研究対象]アマノリ
[分類]研究


[ねらい・目的と成果の特徴]

  • ノリ養殖業界の要望に応えるため、生長性、黒み度、色落ち率、高水温ストレス耐性などを指標として色落ち品種、耐高水温性品種の選抜育種を行った。
  • (1)高水温耐性品種
  • 生長は比較的良く、総タンパク含量、アミノ酸組成は在来品種と大きな差はない。
  • 平成12年度秋芽期の高水温下での浮き流し養殖で「浮特」等級(最良)が、平成14 年度の同地区の支柱漁場でも「B特」が生産され品質評価に問題はない。
  • 本品種は、高水温状況下での現場選抜葉体であるが、耐性の固定化を図るため、高水温環境下での葉体およびプロトプラストによる選抜試験を継続中。
  • (2)色落ち耐性品種
  • 選抜の結果、生長性、黒み度が良好で、低栄養塩環境下で色落ちの割合が少ない特性を持った葉体が得られた。


[成果の活用面等]

  • 熊本県漁連の品種に対する内部基準に基づき育成試験を実施し、生長性、色調、成熟性、耐病性などを検討した後、漁連品種として一般漁業者への利用拡大を図っていく。


[具体的データ]

図1


図:品種選抜による色落ち率、黒み度および生長量
注)図中の円の大きさ(円横に数字で 示す)は、生長量(実験室内日間生長量)を示す。
AK:アサクサカワウラノリ原藻から作成したフリー糸状体を 用いて葉体育成を行ったもの
P1:AKを黒み度、生長性を指標として選抜したもの
P2:P1を黒み度、生長性を指標として選抜したもの
P3:P2を黒み度、生長性、色落ち率を指標として選抜したもの