イセエビの産卵に及ぼす水温と日長時間の影響
三重県科技セ水産研究部
[連絡先]0599-53-0130
[推進会議]中央ブロック
[専門]種苗生産
[研究対象]いせえび
[分類]研究
[ねらい・目的と成果の特徴]
- 1.飼育に用いるふ化幼生を確実に得るための親エビ飼育条件を明らかとするために,親エビの生殖腺の成熟に及ぼす水温と日長時間の影響について調査しました。
- 2.日長時間,飼育水温が異なる6条件で親エビを12月中旬から約3.5ヶ月間飼育したところ(実験A),イセエビの生殖腺の成熟は,水温だけでなく日長時間による影響を強く受けていること,親エビの生殖腺の成熟を確実に進行させるには日長時間を14時間程度の長日条件とする必要があることが明らかとなりました。
- 3.水温25℃において日長時間を4段階設定し,親エビを12月中旬から約3.5ヶ月間飼育したところ(実験B),雌エビの生殖腺の成熟が進行する臨界日長時間は12.5時間と14時間の間にあることが明らかとなりました。
[成果の活用面等]
- 親エビの飼育時の日長時間と水温を調整することで,確実に生殖腺の成熟を進行させることが可能となり,イセエビのふ化幼生を安定して得ることができるようになりました。
[具体的データ]
図1 実験Aにおける6実験区の生殖腺指数(GSI)の推移(●:平均,縦棒:範囲)。矢印は産卵を示す。*印のある調査時のGSIは,開始時のGSIとの間に有意差があることを示す。
図2 実験Bにおける4実験区の生殖腺指数(GSI)の推移(●:平均,縦棒:範囲)。矢印は産卵を示す。*印のある調査時のGSIは,開始時のGSIとの間に有意差があることを示す。