サクラエビ漁業の漁況・資源動向予測
静岡県水産試験場漁業開発部
[連絡先]054-627-1817
[推進会議]中央ブロック
[専門]
[研究対象]他のえび類
[分類]研究
[ねらい・目的と成果の特徴]
- サクラエビの最近20年間の年間漁獲量は、800~4,000トンの間で大きく変動している。
- サクラエビの資源管理を行うには、漁期前の漁況予測が不可欠で、さらに精度を向上させることが求められている。
- 秋漁で漁獲される当歳及び1歳サクラエビの体長が、漁期前に予測できるようになった。
- 春漁で漁獲されるサクラエビの体長が、漁期前に予測できるようになった。
[成果の活用面等]
- 体長予測結果を漁業者に知らせることで、小型のサクラエビが多い時期の積極的な漁獲を控えるようになり、当歳サクラエビが加入する秋漁初期の操業が改善された。
- 漁況や資源動向の情報を広く提供することにより、漁業者だけでなく、加工業者を含めた関係者がより一層、資源管理に対して理解するようになった。
[具体的データ]
図1 当歳・1歳サクラエビの体長予測値と実測値(秋漁)
秋漁で漁獲される当歳サクラエビの体長予測には主産卵場の水深100~150m月別水温と産卵ピークを数値化したものを、1歳サクラエビの体長予測には富士川沖の水深100~150m月別水温とその年の5月に漁獲されたサクラエビの平均体長を、それぞれ1985年以降のデータを用いて重回帰分析を行った。
図2 サクラエビの体長予測値と実測値(春漁)
春漁で漁獲されるサクラエビの体長予測には、前年秋漁で漁獲された当歳サクラエビの平均体長と当年1~2月の焼津地先水温データについて、1985年以降のデータを用いて重回帰分析を行った。
☆ 駿河湾のサクラエビ漁は春(3~6月)と秋(10~12月)の年2回漁期があります。産卵期間は6~10月で6月11日~9月末日までは県調整規則によって禁漁期間となっています。