国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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カジメ海中林復元のための大規模移植

静岡県水産試験場伊豆分場
[連絡先]0558-22-0835
[推進会議]中央ブロック
[専門]漁場環境
[研究対象]かじめ
[分類]行政


[ねらい・目的と成果の特徴]

  • 磯焼け対策として、魚類の食害量を上回るカジメの大規模移植と同時に藻食性魚類を駆除する方法の藻場造成効果を実証する。
  • (1)大規模移植として既存カジメ群落周辺にブロックを多数設置し、カジメを着生させ育成させた後、磯焼け海域に移設する方法を試みた。
  • (2)大規模移植とあわせ藻食性魚類アイゴの駆除を行ったところ、夏から秋にかけてのアイゴの食害時期をカジメの葉部が繁茂した状態で生残させることができ、藻場造成効果を確認した。
  • (3)移植カジメからの遊走子放出による群落拡大効果を確認した。


[成果の活用面等]

  • 大規模移植と藻食性魚類に対する食害防除対策を併用することにより、磯焼け対策、藻場造成の規模を拡大できる。


[具体的データ]

図1
図1 カジメ群落からの距離とブロックへのカジメ着生数の関係(1999年7月22日)
W字型ブロック(着生面4.08m2)と比較すると、N字型ブロック(着生面4.64m2)でカジメの着生が多かった。 調査した範囲ではカジメ群落からの距離と着生数にはっきりとした関係はなく、群落から30m以内であれば十分な着生が期待できると判断された。

 

図2
図2 磯焼け海域でのカジメ全長の推移
藻食性魚類アイゴの駆除を併用したところ、夏から秋にかけてのアイゴの食害時期をカジメの葉部が繁茂した状態で生残させることができた。 移植カジメからの遊走子放出による新規加入群が2001年4月より確認された。