国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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東京湾に発生する貧酸素水塊の規模の評価方法について

千葉県水産研究センター 富津研究所漁場環境研究室
[連絡先]0439-65-3071
[推進会議]中央ブロック
[専門]漁場環境
[研究対象]海洋変動
[分類]研究


[ねらい・目的と成果の特徴]

  • 富栄養化の進んだ東京湾に発生する貧酸素水塊の規模を定期水質調査などのデータで簡便に評価できないか検討した。
  • 東京湾の中央をほぼ南北に並ぶ5調査点での,溶存酸素量の鉛直縦断面分布図の貧酸素水(溶存酸素量2.5mL/L未満とした)の面積割合で湾内主要域の貧酸素水塊の大きさを代表できることがわかった。
  • 貧酸素水塊は,(1)短期間で変動が大きい,(2)大規模な青潮が発生しても貧酸素水塊は解消されないなどの特徴がわかった。
  • 過去の傾向をみると,1984~2001年の18年間における各年の貧酸素水割合の最大値が0.5を超えたのは1985,1986,1994,1995,2000,2001年の6年であり,最近2年間は大きい傾向にあることがわかった。
  • また,貧酸素水塊の濃度別面積割合に重み付けすることによって,貧酸素水塊の強さを表した(詳細は千葉県水産研究センター研究報告第2号を参照)。


[成果の活用面等]

  • 現在,小型底曳網・アナゴ筒などを対象に「貧酸素水塊速報」として底層の溶存酸素量分布を情報提供し,操業に活用されている。
  • さらに貧酸素水塊の規模が表せることで内容の充実した情報が提供できるようになるほか,貧酸素水塊研究の基礎資料となる。

[具体的データ]

図1
図1:東京湾水質調査点

 

図2
図2:鉛直縦断面の貧酸素水割合と貧酸素水塊の強さ

図3
図3:東京湾の溶存酸素量分布(2001年9月17日,mL/L)

 

図4
図4:貧酸素水割合の年間最大値の経過