矢作川から知多湾への窒素・リン負荷の実態の把握 -東海豪雨の影響と土壌流出
中央水産研究所 海洋生産部
共同研究機関 愛知県水産試験場
[連絡先]045-788-7650
[推進会議]中央ブロック
[専門]低次生産
[研究対象]栄養塩
[分類]研究
[ねらい・目的と成果の特徴]
- 陸域から海域への物質輸送過程を解明するために,矢作川下流において長期間連続観測を実施し、流出土壌の海域への窒素・リン負荷に及ぼす影響を解析した
- 知多湾には 2000年の東海豪雨後1週間に平水年の4.9年分の土壌物質が矢作川から流出した。同様に窒素・リンについては東海豪雨後1週間の負荷量は全窒素で0.8年分、全リンで2.4年分に達し、土壌無機リン負荷の影響が極めて大きい。また、東海豪雨の翌年にも、負荷リンの58%が懸濁態で負荷され、通常年でも増水時の懸濁態リン負荷(土壌リン負荷)がリン負荷の大部分を占めることが確認された。
[成果の活用面等]
- 大出水時および通常年の窒素・リン負荷と土壌流出による栄養塩負荷実態の解明により,沿岸域環境システムのモデル化のための基本情報が得られた.
[具体的データ]
図:東海豪雨後1週間(2000年9月12日~18),東海豪雨年(2000年6月8日~2001年6月7日),および 東海豪雨翌年(2001年6月8日~2002年6月7日)の矢作川から知多湾への窒素・リンの負荷量