ワタカの放流による水草除去効果
滋賀県水産試験場 栽培技術担当
[連絡先]0749-28-1611
[推進会議]内水面
[専門]生態系
[研究対象]他の淡水魚
[分類]研究
[ねらい・目的と成果の特徴]
- 草食性が強いといわれているワタカの水草食性を明らかにし、外来魚のソウギョに代わって、琵琶湖固有魚で水草繁茂の抑制ができるか検討する。
- (1)初夏にオオカナダモを植栽した小型1トン水槽にワタカを投入すると1ヶ月後には水草繁茂が効果的に抑制された。
- (2)ワタカを投入しないと池の水面は水草・アオミドロで覆い尽くされるが、そこにワタカを投入すると1ヶ月後の晩夏には水草が効果的に除去された。
[成果の活用面等]
- かつて琵琶湖に大量に生息していたワタカは水草を適正量に保っていたと考えられ、ワタカを増やすことによって水草大量繁茂は抑制できる。
[具体的データ]
図 ワタカ投入の有無による変化
水量1トンの水槽にオオカナダモを植栽してワタカを入れ、または入れないで水草を観察すると、1ヶ月後にワタカ投入区(100g×5尾)で水草繁茂が抑制された。投入しないと水草とアオミドロが大量に繁茂した。
7月下旬の水草が大量に繁茂している状態(晩夏の湖岸はこのような状態である)を模している池にワタカを投入(110g×5尾)すると水草とアオミドロが摂餌され、繁茂前の状態に改善された。