国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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湖産アユのふ化時期・成長・漁獲による資源予測の試み

滋賀県水産試験場 生物資源担当
[連絡先]0749-28-1611
[推進会議]内水面
[専門]資源評価
[研究対象]アユ
[分類]研究


[ねらい・目的と成果の特徴]

  • 琵琶湖産アユのふ化時期の組成や初期成長を把握し、年ごとの比較から資源の解析や、漁況予測を行う。
  • 耳石による日齢査定によって推定した2001年生まれの湖産アユのふ化日組成や初期成長の特徴を過去3ヶ年と比較し、2002年2月以降の湖中漁獲アユは大小のバラツキが大きく、3月を中心とする早期のヤナ漁獲は多くなることを予測した。


[成果の活用面等]

  • 計画的な漁業経営や資源管理の参考となる。


[具体的データ]

図1
図1:琵琶湖産アユのふ化日組成

 

図2

図2:アユのふ化時期別初期成長の年比較


(1)2001年のアユのふ化日組成は9月11日頃、9月22日頃、および10月上旬にピークのある三峰型で、過去2年に較べて、9月20日以前のふ化アユの頻度が高かった。
(2)2001年生まれのアユの初期成長は、9月20日以前にふ化したものは過去3年と遜色なく良好であるが、9月21日以降に生まれたアユの成長が1999年に比し若干劣る傾向があった。


以上のことから、次の2点を予測した。
(1)ふ化時期別の初期成長から見て、2002年の漁獲アユも小型であることが懸念される一方で、ふ化日組成から見て、9月生まれのアユの頻度が高いことから、昨期より早生まれの大型のアユが湖中に多いことが期待でき、この両方の傾向から、2002年の湖中での漁獲アユは、大小のバラツキが大きくなること。
(2)9月生まれの多い今期は3月を中心とする早期の河川への遡上(ヤナ漁場への来遊)が多いこと。