国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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大井川源流域のヤマトイワナの保護・増殖

静岡県水産試験場富士養鱒場
[連絡先]0544-52-0311
[推進会議]内水面
[専門]生態系
[研究対象]いわな
[分類]研究


[ねらい・目的と成果の特徴]

  • 大井川源流域に生息するヤマトイワナをニッコウイワナとの交雑から守り、純粋なヤマトイワナの増殖を図る。
  • (1)大井川源流部では4支流のうち、1支流では採捕された魚は全てヤマト型であったが、3支流ではヤマト型のほかヤマト型とニッコウ型の中間的な特徴を示す個体も採捕された。この交雑状況はアイソザイム分析によっても証明された。
  • (2)採補したヤマトイワナを富士養鱒場で親魚まで養成し、継代を重ねることによって、多くのヤマトイワナ稚魚を得た。


[成果の活用面等]

  • 得られたヤマトイワナ稚魚を生息域に放流し、その資源増大を図ると共に、ニッコウイワナからヤマトイワナへの養殖魚種の転換により両者の交雑を防ぐことができる。


[具体的データ]

写真1
写真1:ヤマトイワナ(大井川源流産)
本州中部の河川上流域に生息する。静岡県では大井川や天竜川の源流域に生息する。体側の白斑はほとんどみられず、橙色の斑点がある。

 

写真2
写真2:ニッコウイワナ(富士養鱒場養殖魚)
東北から本州北部の河川上流域に生息する。体側の白斑が明瞭で、黄色の斑点が見られる。


[その他]
研究課題名:内水面生物環境研究
予算区分:県単独
研究期間:1997~2001年度
研究担当者:野田浩之、吉川昌之、青島秀治、後藤裕康、植松久男、渡辺清
発表論文等 後藤(1998),水産育種,26:41-47