国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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成長速度が異なるアユ種苗のなわばり性

滋賀県水産試験場
[連絡先]0749-28-1611
[推進会議]内水面
[専門]増養殖技術
[研究対象]あゆ
[分類]普及


[ねらい・目的と成果の特徴]

  • 友釣り漁場に放流されるアユ種苗にはなわばり性の強さが要求されるため、成長速度が異なる種苗のなわばり性を調べ、放流用種苗としての適性の違いを明らかにする。
  • 成長速度が異なる3群のアユ種苗についてなわばり性を比較したところ、成長の速い種苗のなわばり形成が最も活発であった。


[成果の活用面等]

  • 成長の速い種苗はなわばり形成が活発であるため、友釣り漁場に放流する種苗として適していることが明らかとなった。


[具体的データ]

図1
図1.成長速度が異なる3群の体重変化.

 

図2
図2.なわばり形成した個体数が50%以上であった観察の頻度.

  • 種苗はサイズ選別を繰り返して成長速度の異なる3群に分け、飼育密度や給餌率が互いに一定となるよう飼育した(図1)。
  • なわばり性の比較は、流れを起こした屋外池に各群別々に6尾のアユを放流し、22日間になわばりを形成したアユの数を比較することによって行った。
  • この観察を5月から8月にかけて各群につき延べ20回行った。なお、観察ごとに供試魚は入れ替えた。
  • なわばり形成は成長の速い群で活発であることが多かった。なわばり形成した個体数が50%以上であった観察の頻度を比較すると、成長の速い群は他の群に比べて有意に高かった(χ2検定,P<0.01)(図2)。