国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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漁業者との連携によるソデイカの標識放流調査

兵庫県但馬水産技術センター
[連絡先]0796-36-0395
[推進会議]日本海ブロック
[専門]資源生態
[研究対象]他のいか類
[分類]研究


[ねらい・目的と成果の特徴]

  • 近年,日本海におけるソデイカの漁獲量が急増しているが,日本海に来遊するソデイカの生態(移動・成長等)は解明されていない。
  • 急激な漁獲努力量の増加が資源の枯渇につながらないかという漁業者の不安が高まっている。そこで標識放流により,ソデイカの移動生態を明らかにし,合理的な資源利用のための資することを目的とした。
  • 標識放流にあたっては,ソデイカ漁に着業している地域漁業者ほぼ全員の協力を得て,小型のソデイカを中心に一人あたり5-20尾の標識放流を実施した。
  • 併せて当センターにより中・大型イカの放流を行い,合計約1,000尾を放流した。
  • 放流当日から数日中内に再捕されるイカが多いことから,適切な放流によるソデイカの生残率は高いと考えられた。
  • 対馬暖流の下流側である富山・福井・京都からのみならず,上流部にあたる鳥取・島根からの再捕も報告された。発生海域への回帰の可能性も含めて,今後の再捕報告が期待される。
  • 個体成長を確認できる事例の報告も集まりつつある。


[成果の活用面等]

  • 放流後の高生残率が見込まれることもあり,特に小型イカの自主的な放流は成長後の再漁獲・漁獲量の増加につながる可能性が高い。豊漁時の価格調整,資源管理に有効なデータとして漁業者の自主的な取り組みにも利用されている。


[具体的データ]
再捕報告(H14.12.4現在)20件
・再捕海域別の内訳
  (1)兵庫県沖  10件
  (2)鳥取県沖  4件
  (3)京都府沖  2件
  (4)福井県沖  2件
  (5)島根県沖  1件
  (6)富山県沖  1件

 

写真
(写真:青色ディスクタグ装着後のソデイカ)