佐渡島真野湾に放流したヒラメ種苗の捕食者の候補
日本海区水産研究所 海区水産業研究部 資源培養研究室
[連絡先]025-228-0658
[推進会議]日本海ブロック
[専門]増養殖技術
[研究対象]ひらめ
[分類]研究
[ねらい・目的と成果の特徴]
- ヒラメの種苗放流では、放流直後の急激な減耗が指摘されている。しかし、その要因は未だ特定できていない。そこで、佐渡島真野湾をモデル海域としてヒラメ種苗を放流し、その減耗過程を被食に重点を置いて検討した。
- 湾奥部(水深3m)に放流した種苗(全長約6センチメートル)の個体数は放流後1週間は15%/日と速やかに減少したが、その後は4.5%/日と天然稚魚と同程度の減少率を示した。
- 胃内容物から放流ヒラメが出現した魚種は、オニオコゼ、ヒラメ1歳魚、イネゴチで、全て放流後1週間以内に放流点付近で採集された個体であった(表1)。
- DNA分析により、イシガニ胃内容物からヒラメが高率で検出され(表2)、イシガニが放流ヒラメの強力な捕食者であることが明らかとなった。
- 水槽・野外実験では、生きたヒラメがヨコエビやウミホタルに食われた例が多く観察され、これらの甲殻類がヒラメの放流直後の減耗に関与する可能性が示唆された。
[成果の活用面等]
- 放流直後の被食減耗軽減のための手法の改善に寄与できる。