国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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シロギスの0歳魚保護には12節以上の目合いが有効

新潟県水産海洋研究所漁業課
[連絡先]025-261-2043
[推進会議]日本海ブロック
[専門]資源管理
[研究対象]他の底魚
[分類]普及


[ねらい・目的と成果の特徴]

  • 10~12cmのシロギス0歳魚(未産卵魚)を保護するため、キス漕ぎ刺網の適正目合を求め、適正な資源の利用を図る。
  • (1)ロジスティック近似式により、網目合いごとの選択効率を求めた。
  • (2)全長12cm以下の未熟・小型シロギスの漁獲を避けるには、12節(2.8cm)より大きい目合の網を使用することで達成できることを明らかにした。


[成果の活用面等]

  • シロギスの成長、生態にあわせて目合を設定することにより、未熟・小型魚の保護と資源の合理的利用が可能。


[具体的データ]

表1
表1 キス刺網の目合別漁獲サイズ選択効率  単位:%

 

図1
図1 全長/目合に対する相対的選択効率とLogistic曲線の近似
全長/目合≦5.6, 選択効率=1/[1+exp(-8.63 x 全長/目合 +44.10)]
全長/目合>5.6, 選択効率=1/[1+exp(5.38 x 全長/目合 -33.67)]


【表1の注釈】
(1)キス漕ぎ刺網により全長12cm以下の小型魚漁獲を避けるには,選択効率が0である12節より大きい目合の網を使用。
(2)単価が低くなる6~7月には大型の2才魚を漁獲するのに適した10.5節を使用し、単価が上向く8月には12節の目合いを使用することで未熟・小型魚の保護と資源の合理的な利用が可能(全長18cm前後の2才魚に対しては10.5節が、全長15cm前後の1才魚に対しては12節の目合の網が最も効率的)。


【目合の計算方法】
目合い(cm)=30.3÷(節数-1)
例 目合い12節の場合 30.3÷(12-1)≒2.75