体色(明度)によるヒラメの健苗性判定指標
山形県水産試験場・浅海増殖部
[連絡先]0235-33-4383
[推進会議]日本海ブロック
[専門]飼育環境
[研究対象]ひらめ
[分類]研究
[ねらい・目的と成果の特徴]
- ヒラメ種苗の質について、生産現場では経験的に体色により判断されている場合がある。これは、非常に簡便な方法であるが、主観的な要素が多い上に、ヒラメはわずかな刺激で瞬時に体色を変化させてしまうため、これまで一般的な指標とはなっていなかった。そこで、ヒラメ体色について、明度を用いた数値化を試みると共に、良質種苗の基準値について検討した。
- ヒラメの場合、ハンドリングを短時間(30秒程度)に抑え、直ちに温水(60℃)処理を行なう事により、生時の体色(明度)で固定が可能となった。
- ヒラメの体色(明度)は、体色を固定することにより色彩計で容易に測定が可能となった。
- 良質な種苗(潜砂率が高い)は、体色も明るく、その明度値はL*=30以上であると考えられた(図1)。
- 体色明度が数値化されたことにより、色見本の作成が可能となった(写真)。
[成果の活用面等]
- 種苗生産や中間育成現場でのデータを集積・加味することで、より有効な健苗性判定指標となりうる。
[具体的データ]
(分かりやすい図表を中心に)
図1 異なる種苗の体色(明度)と潜砂率
写真 ヒラメ体色(明度)見本例