スルメイカの再生産曲線と持続生産量
日本海区水産研究所 日本海漁業資源部
[連絡先]025-228-0536
[推進会議]日本海ブロック
[専門]資源評価
[研究対象]するめいか
[分類]研究
[ねらい・目的と成果の特徴]
- 日本海で主に漁獲対象となるスルメイカ秋季発生系群の再生産関係を推定し,持続生産量(SY)曲線を求めることで資源管理技術を向上させる.
- 水温の経年的変動に基づき,1990~2002年の期間を区分して再生産関係を推定した.
- 再生産関係を基に持続生産量を求め,近年の漁獲量との関係を明らかにした.
[成果の活用面等]
- スルメイカの許容漁獲量(TAC)算定の基礎となる生物学的許容漁獲量(ABC)算定の基本モデルに用いた.
[具体的データ]
図1:スルメイカの再生産関係
スルメイカの再生産関係は海洋環境の変化によって変化すると考えられている.そこで好適な環境にあると判断される1990年代の推定資源量および産卵親魚量を用いて再生産関係式(Beverton-Holt型)を推定した(図1).
図2:スルメイカの持続生産量と近年の漁獲量
そして再生産関係からスルメイカの持続生産量(SY)およびMSY(46万トン)を求めた(図2).持続生産量と実際の漁獲量との関係では,近年の漁獲量は持続生産量以下に抑えられており,資源の増加に結びついたと判断される.