2024(R06).12.11 新種ウチワスナヤツメとミナミスナヤツメを報告―日本産カワヤツメ属は2新種を含む5種に―
令和6年12月11日
京都大学
国立研究開発法人水産研究・教育機構 水産大学校
新種ウチワスナヤツメとミナミスナヤツメを報告
-日本産カワヤツメ属は2新種を含む5種に-
【概要】
水産研究・教育機構水産大学校の酒井治己名誉教授、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科の岩田明久名誉教授、京都大学大学院理学研究科の渡辺勝敏教授、および北海道教育大学国際地域学科の後藤晃元教授の研究グループは、分類学的に大きく混乱のあった日本産カワヤツメ属のヤツメウナギ類について遺伝学的・形態学的再検討を行い、2種の新種Lethenteron satoi ウチワスナヤツメ(新標準和名)とLethenteron hattai ミナミスナヤツメ(新標準和名)を報告し、Lethenteron mitsukurii キタスナヤツメ(新標準和名)、Lethenteron reissneri シベリアヤツメ、Lethenteron camtschaticum カワヤツメと合わせて計5種が存在することを明らかにしました。このことは、日本のカワヤツメ属の多様性が他の地域に比較して高いことを示しています。カワヤツメ類の幼生は河床の砂泥底や堆積物の中で育ち、人為的な河川環境の改変や水害の影響を受けて、どの種も絶滅が危惧されています。本研究によるヤツメウナギ類の多様性の解明は、未だ謎の多いヤツメウナギ類の生態の解明や各種の保全対策に繋がることが期待されます。
本研究成果は、2024年12月6日に日本魚類学会が発行する国際学術誌「Ichthyological Research」にオンライン掲載されました。
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