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2024(R06). 7.1 個体別のスケトウダラの回遊履歴復元――北海道周辺の3グループの生態履歴――

令和6年7月1日

東京大学
国立研究開発法人水産研究・教育機構

 

個体別のスケトウダラの回遊履歴復元

――北海道周辺の3グループの生態履歴――

ポイント

  • 水産資源として重要な魚種の個体別の移動や摂餌の履歴を読みとれるようにすることは、持続可能な資源確保の観点からも生態学的にも重要です。

  • 本研究では耳石にわずかに含まれる炭素14の濃度を時系列で分析することで、北海道周辺のスケトウダラが個体毎にどのような回遊をしていたのかを明らかにしました。

  • 耳石の炭素14分析は、回遊履歴を解明して水産資源の動態変化を理解することができる強力なツールであり、水産資源の持続可能な利用に役立つ解析手法として広く導入が期待されます。

【概要】  

 スケトウダラの耳石中の天然の放射性炭素の分析を行い、個体毎の回遊履歴について復元しました。その結果、北海道周辺の3つの海域(日本海北部、オホーツク海南部、太平洋)のスケトウダラは、それぞれ炭素14濃度も3つのグループに分かれることが確認され、それぞれのグループに属する個体の多くが、ふ化から漁獲されるまで同じ海域におおむねとどまっていたことが示されました。

 さらに、日本海北部とオホーツク海南部のグループの複数個体では、漁獲された海域から大きく離れて回遊した可能性も明らかになりました。これは北海道周辺のスケトウダラが海域を跨ぐような広域にわたって回遊したことを示唆するものであり、持続可能な水産資源管理を行う上で重要な情報となります。

 

 詳細(PDF:567KB)

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