フタホシイシガニ及びヒメガザミの利用技術の開発
山口県水産研究センター 外海研究部利用加工グループ
[連絡先]0837(26)0711
[推進会議]水産利用加工
[専門]水産生物利用
[研究対象]他のかに類
[分類]普及
[ねらい・目的と成果の特徴]
- 未利用資源であるこれらカニ類を新規食品素材とするためペースト化するとともにカニ醤油、カニ塩からを試作した。
- (1)ペースト化はカニをスピードカッターで粉砕し、100μm以下の目合いで裏ごし後、脱気した。加熱すると滑らかで軟らかいゲルが得られた。
- (2)カニ醤油は4種類の配合で室温に1年間放置した。全窒素は市販の大豆の濃口醤油の特級又は上級の基準を上まわり、無塩可溶性固形分は上級並又は下回った。
- (3)カニ塩からは4種類の配合で3~8℃の冷蔵庫で1年間保存した。全窒素および遊離アミノ酸総量はいづれも1.6g/100gおよび7,000mg/100gとなった。
- (4)ペースト、カニ醤油、カニ塩からを使って、カニ豆腐、カニ餃子、カニ玉どんぶり、てんぷら、鉄板焼き風などを試作した
[成果の活用面等]
- 本県水産加工技術研修事業で業界への技術移転を図るとともに、個別に加工業者を訪問して普及を図っている。
[具体的データ]
図1:カニペーストの一般成分
図2:カニペーストの遊離アミノ酸組成
カニペーストは水分約70%,粗脂肪1%、粗タンパク15%前後、遊離アミノ酸は、ガザミ、ズワイガニと同様にタウリン、グリシン、アルギニン、アラニンおよびプロリンが多く全遊離アミノ酸の75%を占めていた。