国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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冷凍生ワカメの開発と商品化

岩手県水産技術センター 利用加工部
[連絡先]0193-26-7916
[推進会議]水産利用加工
[専門]加工流通技術
[研究対象]わかめ
[分類]研究


[ねらい・目的と成果の特徴]
・岩手県沿岸で1~2月に採取される早採りワカメの冷凍技術の開発により、商品化を図り、岩手産ワカメの消費量および生産量の拡大に資する。
・(1)カルシウム系の食品添加物に有効性が認められ、これまで困難とされてきた解凍後の軟化や変色等の問題点を解決した。
・(2)開発品は約1年の冷凍保管でも品質劣化はせず、芯付きで冷凍可能なため、加工作業が容易であり歩留まりも良い。
・(3)湯通し塩蔵ワカメやそれを原料とするカットワカメよりも風味と食感が良く、ミネラルも豊富であり、旬の味をいつでも味わうことが出来る。


[成果の活用面等]
・県内の漁協や加工業者等に技術指導したところ、数社で商品化され、今後さらに生産量が増加する見込みである。


[具体的データ]

写真
写真:写真左が開発品、右が直接冷凍品。半解凍後に沸騰水中で30秒程度ボイルし、水道水で冷却・脱水したものである。緑色が保持されており、風味・食感とも良好である。芯まで食べられるのが特徴。

 

図
図:冷凍生ワカメのミネラル成分
ボイルした冷凍生ワカメの部位別ミネラル含有量を示した。比較のために、塩蔵品水戻し後の測定値を示した。開発品は、カリウムK、カルシウムCa、マグネシウムMgが豊富であった。塩蔵品では、ナトリウムNa以外は少なく、製造過程や水戻しによりかなり溶出していた。