国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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未利用海藻を利用した海藻パックの開発

富山県食品研究所
富山県国際健康プラザ国際伝統医学センター
[連絡先]076-429-5400(富山県食品研究所) 076-428-0830(富山県国際健康プラザ国際伝統医学センター)
[推進会議]水産利用加工
[専門]加工流通技術
[研究対象]藻類
[分類]普及


[ねらい・目的と成果の特徴]

  • 昆布加工品の製造時に発生する昆布切り屑等の未利用海藻を用いて、海藻パックを開発する。
  • (1)昆布の切り屑をペースト状に溶解させpHおよびナトリウム量を調整したパックは、従来の海藻パックと同等の保湿性を示し、かつ皮膚への刺激性が低いことを確認した。
  • (2)更にオリーブ油および深層水を添加することで、保湿性の向上、皮膚刺激性の低下、および昆布臭を緩和した新しい海藻パックを開発した。
  • (3)新しい海藻パックに精油や植物成分あるいはケイ藻土を添加することで、種々の機能を持ったパックの開発が可能である。

 

[成果の活用面等]

  • 今まで利用されていなかった未利用の海藻を用いた海藻パックを開発することで、製品の付加価値向上および海藻の利用拡大に寄与しうる。


[具体的データ]

図1
図1:海藻パックの皮膚刺激性と保湿能の検査方法
 被験者の前腕部皮膚の角質をサンドペーパーで除去し、各種海藻パックを塗布して皮膚の保湿性や刺激性を調べた。皮膚の保湿性は、各被験者毎に皮膚水分量を海藻パック塗布前(A)、海藻パックを塗布後5分間静置し拭き取り後(B)、そのまま5分間放置後(C)、塗布部分を水洗後(D)の4回測定し、海藻パックを塗布する前の皮膚水分量に対してどれだけ皮膚水分量が増加したかで表した。また、皮膚刺激性をチクチク感を主体に問診し、僅かに感じる0.5、確かに感じる1.0、強く感じる2.0、チクチクでつらい3.0とスコア化した。更に、臭いや触感についても問診を行った。

 

図2
図2:各種海藻パックによる皮膚水分量の変化

 

図3
図3:各種海藻パックの皮膚刺激性
 昆布ペーストに深層水を添加することで皮膚水分量を高く保つことができ、更にオリーブ油を4%添加することで、皮膚水分量が更に高くなり、また皮膚刺激性が弱められた。また、これらを添加することで、パックの海藻臭が緩和され、パック塗布時の触感も改善された。