国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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小型底びき網で漁獲したシャコの生残に対する海水シャワー装置の効果

福岡県水産海洋技術センター 豊前海研究所
[連絡先]0979-82-2151
[推進会議]瀬戸内海ブロック
[専門]漁業生産技術
[研究対象]他の甲殻類
[分類]普及


[ねらい・目的と成果の特徴]

  • 現在、当海区において小型底びき網漁業者の9割以上が海水シャワー装置を設置している。小型底びき網漁業の重要魚種であるシャコを対象として、再放流魚と出荷魚の活力向上を目的として開発された海水シャワー装置の効果を検証する。
  • 高水温期におけるシャワー未使用時の生残率は半分以下と低かったが、本装置を導入することによって8割以上の生残率を維持することが分かった。


[成果の活用面等]

  • 本装置導入によるシャコの生残率向上は、再放流効果のみでなく、出荷魚の生きが良くなることで、魚価向上につながると漁業者から高い評価を得ている。また、共同して行われた大分県と山口県の効果調査では、他魚種についても生残率の向上が認められ、各県で漁業者の関心が高まっている。


[具体的データ]

写真
写真 海水シャワー装置 (使用状況とその概略図)

 

図1
図 試験区別シャコ生残率の推移

  • シャワー未使用時の生残率は、春季及び秋~冬季については概ね8割以上である。しかし、夏季には著しく低下し、半分以下になることが分かった。
  • シャワーを使用した場合の生残率は、夏季においても8割以上を維持することが分かった。