アマモ種子の出芽限界深度
岡山県水産試験場・増殖班
[連絡先]0869-34-3074
[推進会議]瀬戸内海ブロック
[専門]資源生態
[研究対象]あまも・すがも
[分類]研究
[ねらい・目的と成果の特徴]
- 本県では、シルト土壌域で播種法を用いたアマモ場造成に取り組んでいる。アマモ種子は中央粒径0.4 mmの中砂では、覆土厚6cmまでは出芽(芽が海底面上に出現)し、9cm以上では全く出芽しないことが知られており、播種深度が深すぎると出芽できなくなると考えられる。そこで、シルト土壌での出芽限界深度を明らかにすることを目的に実験を行った。
- 実験は1~3Lのビーカーにシルト土壌の深さ(1から20cmまでの5区)を変え、各30粒の種子を播種(2002年2月1日)し、約2ヶ月間観察して、出芽限界深度を検討した。その結果、種子は深度15cm以浅で出芽し、20cmでは出芽しなかった。また、出芽率は深度1及び5cm区で70%以上の高い値を示した。以上のことから、シルト土壌域では種子の埋没深度が約15cm以浅になるような工夫が必要であると考えられた。
[成果の活用面等]
- シルト土壌域において、種子の埋没深度を調節することにより、出芽できずに枯死する種子を減少させ、より効率的なアマモ場造成を行うことが可能となる。
[具体的データ]
図1 播種深度別の出芽率,残存種子率(発芽種子含む)及び枯死率