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2023(R05). 11.1 海草・海藻藻場のCO2貯留量算定に向けたガイドブックの公開について

令和 5年 11月1日
国立研究開発法人水産研究・教育機構

海草・海藻藻場のCO2貯留量算定に向けたガイドブックの公開について
  • CO2(二酸化炭素)の吸収源として期待されているブルーカーボン生態系のうち、海草・海藻藻場を対象としたCO2貯留量の算定方法に関するガイドブックを作成し公開しました。
  • 本ガイドブックでは、藻場タイプ・海域区分別のCO2貯留量を算定する具体的方法を示しました。
  • 本ガイドブックにより、気候変動対策技術としてのブルーカーボンの理解が深まり、漁業関係者、NPO、地方自治体、一般企業等の関係者による活用が進むことが期待されます。

 

 深刻化する気候変動の影響により脱炭素社会の構築は待ったなしとなっています。農林水産省が令和3年5月に策定した「みどりの食料システム戦略」でもCO2の吸収源としての「海洋生態系で貯留される大気中CO2由来の炭素(ブルーカーボン)」の活用が位置付けられ、令和5年度から我が国のCO2などの温室効果ガスの排出量及び吸収量をとりまとめたデータ目録(温室効果ガスインベントリ)への登録もはじまっています。

 こうした状況を鑑み、水産研究・教育機構を代表機関とする共同研究チーム(東京大学大気海洋研究所、広島大学、港湾空港技術研究所、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター、徳島県、新潟県水産海洋研究所、京都府農林水産技術センター)は、ブルーカーボン生態系の活用と実践に必要な情報をガイドブックにまとめました。

本研究では、ブルーカーボン生態系に関わる4つの貯留プロセスから、藻場のCO2貯留算定手法を確立しました。

 また、温室効果ガスインベントリの算定基準となるIPCC湿地ガイドラインに準拠しつつ、ガイドラインで詳細な設定のない貯留プロセスに対して科学的根拠に基づく算定手法と数値を提示しました。

 本研究は、農林水産省 みどりの食料システム戦略実現技術開発・実証事業のうち農林水産研究の推進(委託プロジェクト研究)「ブルーカーボンの評価手法及び効率的藻場形成・拡大技術の開発(JPJ008722)」により実施されたものです。

 

 

詳細(PDF:1,031KB)

ガイドブック(PDF:2,645KB)

 

お問い合わせ先

国立研究開発法人 水産研究・教育機構

担当者:堀 正和(水産資源研究所 水産資源研究センター

社会・生態系システム部 沿岸生態系暖流域グループ長)

阿保勝之(水産技術研究所 環境・応用部門 沿岸生態システム部 副部長)

 

E-mail:bcguidebook@fra.go.jp