2020(R02). 9.18 海を知らないマダコの養殖・量産化に向けて大きく前進!
令和 2年 9月 18日
国立研究開発法人水産研究・教育機構
海を知らないマダコの養殖・量産化に向けて大きく前進!
- これまでに開発したマダコ浮遊幼生の飼育技術や給餌技術に加えて、新たに稚ダコの共食いを防ぐ飼育システムを開発し、陸上施設で稚ダコから約4 割の個体を出荷サイズまで育てることに成功しました。
マダコ(Octopus sinensis)は日本人にとってなじみの深い食材ですが、近年は国内だけでなく海外でも漁獲量の減少が問題となっています。そのため養殖技術開発への期待が高まっていますが、人工的に稚ダコを生産することが困難で、養殖は長年実現しませんでした。
水産研究・教育機構水産技術研究所は、これまでに開発した浮遊幼生の飼育技術や給餌技術で、ふ化から着底までで最高96.1%と非常に高い生残率で人工稚ダコの生産を可能にしています。
今回新たに開発した共食いを防ぐ隔離飼育技術で156 個体の稚ダコを飼育した結果、10ヵ月で73 個体が生き残り(生残率46.8%)、このうち65 個体は出荷サイズである体重500gに達し、さらに25 個体は1 ㎏を超えたことも確認しました。
種苗生産から出荷サイズに至るまでの一連のマダコ生産システムは、全工程を陸上の施設で実施できます。このマダコ養殖技術を発展させることで「海を知らない」マダコが売り場に並ぶ日が来ると期待されます。
なお、本成果は、9 月30 日から東京ビックサイトで開催される第22 回ジャパン・インターナショナル・シーフードショーにおいても紹介いたします。
※本研究は(国研)農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター「イノベーション創出強化研究推進事業 マダコ養殖の事業化に向けた基盤技術の開発」において取り組まれた成果です。
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