中胚葉の発生と尾芽幹細胞の分化機構を明らかにし、育種の目印に
養殖研究所・遺伝育種部
[連絡先]0596-58-6411
[推進会議]水産養殖関係試験研究推進会議
[専門]水産遺伝育種
[研究対象]他の淡水魚
[分類]研究
[ねらい・目的と成果の特徴]
- 脊椎動物の初期胚の尾部末端に幹細胞があり、そこから筋肉や骨になるもとの組織である体節が次々に作られ胴部が伸びて行く。この幹細胞から筋肉や骨が作られる機構を解明する目的で研究を行っている。
- 突然変異体を用いて、胴部の伸長を調節している胴尾部オルガナイザーの領域で働いている遺伝子を決定し、その中から関係する遺伝子を選び出した。
[成果の活用面等]
- この研究で見つけた遺伝子を目印に、私達が食べる部分である筋肉の多い魚や小骨の少ない魚を見つけて育てるのに利用する。
[具体的データ]
魚の子供の体が伸びる時期に尾の先の方にある胴尾部オルガナイザーと呼ばれる部分がおかしくなると、下の写真の様に私達が食べる胴の部分が無い魚になってしまう。そこで、どの遺伝子がおかしくなると胴のない魚になるかを研究している。
また、胴尾部オルガナイザー領域で働いている遺伝子を全部取ってきて、その中からしっぽの先にある幹細胞から筋肉や骨が作られる時に働く遺伝子を探している。この様な遺伝子の働きを目印として 魚を選んで育て、食べる部分の多い魚や小骨の少ない魚を作るのに役立てようとしている。
図:上が天然のメダカの子供、下が尾の先がおかしくなって胴と尾が無くなった突然変異体。