国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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養殖漁場海水中の細菌群集による有機物分解活性と細菌相の変化

養殖研究所・飼育環境技術部
[連絡先]0599-66-1830
[推進会議]水産養殖関係試験研究推進会議
[専門]漁場環境
[研究対象]微生物
[分類]研究


[ねらい・目的と成果の特徴]

  • 自然界で細菌が有機物を分解し、その結果水質浄化にかかわっていることは知られているが、具体的に細菌どの様な状態の時に能力が発揮されるのかについての生態的データは乏しい。そこで,養殖漁場において有機物分解酵素活性と細菌相の調査を行った。その結果、
  • 海水中の懸濁粒子に付着した細菌群集が、単独で浮遊している細菌群集よりも有機物分解機能,特にタンパク質の分解において重要な役割を示すことが明らかとなった。(図1)
  • 高い有機物分解酵素活性が観察された夏季には,細菌群集組成を示す変成濃度勾配電気泳動(DGGE)のバンドパターンが変化しており、付着細菌相が変化していたことが明らかとなった。(図2)


[成果の活用面等]
・養殖が漁場生態系へ与える攪乱の程度を示す判断材料として,適正な漁場管理の一つの指標となる。


[具体的データ]

図1
図1 養殖漁場海水中における付着及び浮遊細菌群集の菌体外酵素活性の周年変化

図2
図2 養殖漁場表層海水中の16S-rRNA遺伝子PCR増幅断片のDGGE像からも微生物像の周年変化が示された。