国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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品質(色と身入り)のよい生ウニをつくろう

宮城県気仙沼水産試験場 栽培部
[連絡先]0226-27-2700
[推進会議]東北ブロック
[専門]増養殖技術
[研究対象]うに
[分類]普及


[ねらい・目的と成果の特徴]

  1. 近年,宮城県産ウニ(キタムラサキウニ)の色調の低下が各浜で認められています。この採り残しウニの増加が悪循環となりさらに餌海藻の不足,身入りの低下,高齢ウニの比率の増加が懸念されることから、当面の対策を検討しました。
  2. ウニは海藻が多いほど生殖巣指数の増加が大きいですが、色調は年齢が高いほど悪くなる傾向があります。(図1)
  3. 海藻が乏しい海底から採取した品質不良のウニはコンブ類の給餌飼育により,身入りの増大と黄色系への色調改善の傾向が認められましたが、9歳以上の高齢ウニでは色調の変化が緩慢でした。
  4. 品質が不良のウニを餌海藻がたくさんある漁場に移植した結果、約2ヶ月経過で対照区と比較し身入・色調とも極めて良くなりました(図2)。


[成果の活用面等]

  1. 本研究の成果を活用すれば,高品質の生ウニを持続的に生産することが可能ですので,ウニ漁場の管理指針として漁業協同組合などに普及をはかります。
  2. ウニ生殖巣の色調改善を図るため,各漁場でウニの年齢組成を調査し、高齢ウニを除去または移植する等の対策を促進します。
  3. 高齢ウニは餌海藻が充分あれば生殖巣はある程度大きくなるので、塩ウニ等の加工品の原料として有望です。

(注)身入り;ウニの体重に対する生殖巣重量の割合で、春から夏に10~30%に増加します。


[具体的データ]

図1

 

図2