開発調査センター漁業第二グループの木宮隆リーダーが近赤外研究会NIR Advance Awardを受賞
掲載日:2025年1月9日
木宮リーダーが「近赤外分光法の水産物品質の非破壊計測への応用」の功績により近赤外研究会の奨励賞であるNIR Advance Awardを受賞し,2024年11月15日(金曜日)に東京大学で開催された第40回近赤外フォーラムで表彰されました。
2024年度のNIR Advance Award受賞式にて(木宮リーダーは右端)
写真提供:近赤外研究会
受賞課題
近赤外分光法の水産物品質の非破壊計測への応用
研究実施者
木宮隆(開発調査センター漁業第二グループ),木村優輝(青森県産業技術センター食品総合研究所)
学会名
近赤外研究会
URL:https://jcnirs.org/Awards/NIR-Adv_Award.html
受賞研究課題の意義
本研究では,果物の糖度計測に利用される近赤外分光法と画像センシングを組み合わせ,非破壊・連続的にさば類の脂質含量(脂の乗り)計測と魚種判定ができる新たな自動選別システムを構築・実証しました。このほか,さば類の凍結・解凍状態,殻付きウニの生殖巣(身入り)の非破壊評価への近赤外分光法の応用可能性を示しました。
これらの水産物品質の非破壊計測技術は,消費者などの買い手が求める品質に応じた商品づくりに役立ち,価値向上につながることが期待されます。実際に,本研究成果の一部は青森県のブランドサバ「八戸前沖さば」の認定のための脂質含量計測に採用されています。また,これまで取得できなかったデータを活用することで,製造工程の見直しや新たな価値の創出につながる可能性もあります。
水産物についても品質管理や品質保証が重要になる中で,熟練者の目利きでも評価が難しい対象の非破壊評価が可能であることを示すとともに,水産分野において近赤外分光法をさば類の自動選別システムとして実用化した成果が高く評価されました。