国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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冨士泰期主任研究員、水産海洋学会奨励賞を受賞

冨士泰期主任研究員(水産資源研究所水産資源研究センター広域性資源部外洋資源グループ)が、第13回(2023年度)水産海洋学会奨励賞を受賞しました。授与式は、水産海洋学会シンポジウムが行われた2023年3月19日に、東京海洋大学品川キャンパスにて行われました。

冨士泰期 主任研究員

 

受賞者:冨士 泰期(水産資源研究所)

受賞課題:水産資源の持続的管理を目指した沿岸性および外洋性魚類の資源生態学的研究

概略:

 この賞は、一般社団法人水産海洋学会により、優れた業績を挙げた若手研究者の研究を奨励し、水産海洋学を発展させることを目的として授与されるものです。冨士主任研究員が取り組んできた「水産資源の持続的管理を目指した沿岸性および外洋性魚類の資源生態学的研究」を進めるにあたって、徹底したフィールド調査を基本に、高度な分析手法を組み合わせて研究課題を解決してきた姿勢、その成果のクオリティの高さ(論文賞をこれまでに2度受賞)が評価され、また水産海洋学の将来を牽引する活躍が期待されることから、同賞の受賞に至りました。

 冨士主任研究員は、京都大学大学院在学中にスズキを、機構職員となって以降はサンマを対象として調査・研究を行ってきました。スズキを対象とした研究では、京都府の丹後海~由良川をフィールドとして、稚魚期における河川と海域の利用状況や、資源として加入した群の稚魚期の生育履歴の推定等を通じ、スズキ稚魚の生育場利用の実態を明らかにしてきました。サンマを対象とした研究では、2003年から続く北西太平洋の広域をカバーする調査船調査を通じて、サンマを支える生物生産システムの東西海域での違いを明らかにし、また気象条件の厳しい冬季に調査船調査を新たに実施し、サンマの産卵場が従来の想定よりもさらに東まで広がっていることを明らかにしました。これらの研究成果は、サンマの資源変動要因の解明及びサンマの資源量推定・予測の高度化に大きく貢献しています。