国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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水産技術研究所養殖部門養殖経営・経済室の三木奈都子研究員(当時)が漁業経済学会学会賞を受賞

三木克弘氏(旧中央水産研究所水産経営経済研究センター・2019年亡)・三木奈都子氏(2022年当時、水産技術研究所養殖部門養殖経営・経済室室長)の共著書が漁業経済学会学会賞を受賞し、2022年6月11日-6月12日に東京で行われた漁業経済学会大会で表彰されました。 

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受賞本の表紙

受賞著書名

「イカ産業の展開と構造-グローバル化する生産・流通・加工・消費‐」

農林統計出版株式会社(全448頁,2021年 8月出版)

受賞者および著者

三木克弘, 三木奈都子

論文の概要

 受賞著書は、グローバル化するイカ産業の展開と構造について、生産・流通・加工・消費の各面について1960年代以降の歴史的経緯も含め分析したものである。                                 

水産物のなかでもイカ類は種類の多さ、高い供給能力、用途別の市場の広がりなど、世界的な漁業・流通・加工・消費の幅広さが特徴であり、それゆえ本書では一連のイカ類の漁業・流通・加工を「イカ産業」と表現している。本書のサブタイトルにもあるように、1990年代以降、国内漁業・水産加工業はグローバル化の強い影響を受けるようになり、イカ産業においても原料供給を輸入イカに依存するようになり、国内イカ漁業・イカ加工業の存続・維持をどのように図っていくのかという課題が示されるようになった。さらに、2016年以降のスルメイカの不漁以降、国内のイカ漁業・イカ加工業の縮小再編を中心とする構造変化や供給量低下に伴う消費の減退など、各方面への影響が具体的に懸念されている状況にある。

本書はグローバルに展開しているイカ産業の構造変化とその要因について分析するとともに、今後のイカ産業を展望するための材料を提供している点が評価され、受賞に至った。

学会名

漁業経済学会