蒼鷹丸(そうようまる)
蒼鷹丸は主に本州、四国沖合の太平洋において、サバ・イワシなど小型浮魚類の資源調査、魚の餌となるプランクトン調査、海底土採集による放射能調査、日本周辺における放射能モニタリング、黒潮の変動把握に向けた海洋モニタリング観測など、漁業に関連した海洋調査を行っています。
船舶番号 | 134348 |
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長さ(全長) | 67.50m |
幅(型) | 11.40m |
計画満載喫水 | 4.30m |
総トン数(国内) |
892トン |
国際総トン数 | - |
定員 | 24名 |
最大搭載人員 | 36名 |
燃料油タンク | 325.1m3 |
清水タンク | 76.7m3 |
雑用清水タンク | 31.8m3 |
潤滑油タンク | 6.1m3 |
主機関 | ダイハツ 6DLM-26S 1,176kW×750min-1 2台 |
減速機 | ダイハツ RCD-25FGS 2,352kW×210min-1 1台 |
推進機 | 三菱 KaMeWa79XF3月4日 4翼CPP 1基 |
主発電機関 | ダイハツ 6DL-16 331kW×1,200min-1 2台 |
主発電機 | 大洋電機 TWY35C-6S 375KVA 2台 |
軸発電機 | 大洋電機 FB38BS-6 450KVA 1台 |
試運転最大速力 | 16.52ノット |
航海速力 | 約14ノット |
航続距離 | 約7,000海里 |
起工 | 平成5年3月25日 |
進水 | 平成6年2月23日 |
竣工 | 平成6年10月28日 |
造船所 | 三菱重工業(株) 下関造船所 |
定係港 | 横浜市(横浜) |
主な搭載設備(漁撈、調査・観測設備等) |
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蒼鷹丸(そうようまる)の調査
海洋生産力調査
プランクトンや栄養塩・クロロフィル量など、海洋の基礎生産の調査を行っています。
海洋放射能調査
海洋生物や海底の泥等に蓄積された放射能の把握・監視する調査を行っています。
海洋環境調査
黒潮の動向や海況予測のため、海の流れ・水温・塩分等の調査を行っています。
漁業資源調査
マイワシ等の資源評価や漁況予報のため、卵稚仔や魚群の分布調査を行っています。
蒼鷹丸は1回につき10日から1ヶ月程度の航海に出ます。
航海にはいろいろな専門の研究者が乗り込んで、海洋や魚の調査をします。
主な調査海域は本州・四国沖合の太平洋ですが、放射能汚染の調査や事故・災害等の影響調査など、緊急の場合は日本全国の沖合にも出かけていきます。
蒼鷹丸(そうようまる)の名前がついた貝たち
初代蒼鷹丸は「日本近海における大陸棚調査」を本格的に開始し、ドレッジにより採集された貝類の学名、和名に蒼鷹丸の名を数多く残しましたが、ほとんどは大陸棚以浅でした。
蒼鷹丸Ⅱ世は竣工直後の試験航海時に、相模湾、城ヶ島西沖の水深700~750mでビームトロールを実施し、のちに20世紀の大発見と言われる深海の化学合成生態系で有名なシロウリガイ(Calyptogena soyoae OKUTANI)を採集しました。これも新種として、奥谷喬司により、蒼鷹丸に献名されました。
その後、5,000mウインチを活用したビームトロールで採集された貝類も奥谷により数多く報告され、日本における深海ベントス研究の先鞭をつけたと言われています。
(「写真で見る中央水産研究所60年のあゆみ」より)