国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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藻類サブバンクの紹介(2):ワカメ・アラメ・カジメ類

 ワカメの生産は大部分が養殖によって行われ、その生産額は121億円(2019年度)です。また、アラメやカジメは日本沿岸に広く分布して、「海の林」を作っています。そこには、ウニやアワビなどが住み、これら藻類を食べて育ちます。このように、ワカメ・アラメ・カジメ類は養殖以外に、沿岸に生息する重要な水産動物の「住み場」も提供しています。

天然の海に生育するワカメ

海中に生育するワカメ(上部)と採取されたワカメ(下部) 海藻類の群落は減少傾向にあります。一部の沿岸では消滅の恐れもあり、遺伝資源が手に入らなくなる心配もあります。私たちはこれらの遺伝資源の保存を行い、守りつづける努力をしています。







 潜水して採集したワカメは、全長・重量などの特性調査を行います。

 胞子をつくる部分(胞子葉といいます。皆さんご存じの 「メカブ」です)から「遊走子」を放出させます。

 

天然の海から採取した藻体の保存方法および保存状態について

遊走子の顕微鏡画像 遊走子は発芽して、♀(雌性配偶体):写真左下 または♂(雄性配偶体):写真右上となります。

 細いガラス管でこれらを1個ずつ、雌・雄に分離 します

プラスチック容器中の遊走子 1個の遊走子から芽生え、生長した♀:「雌性 配偶体」、及び♂:雄性配偶体を分離して、個別 に、保存しています。

 培養液は定期的に交換しています。