国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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微生物サブバンクの紹介(2):海洋・食中毒微生物

 微生物は水産業にも関わりが深く,塩辛などの発酵食品の生産に有効利用されています。一方,食品腐敗や食中毒の発生などの害も起こします。このような微生物の性質は,変化しやすく,時には失われることすらあります。そのため,研究や産業上での利用を進める上で,特性評価の基準となる菌株を,安定して長期保存することはとても大切です。

海藻分解細菌の特性評価

寒天培地上で増殖した海藻分解細菌
ヨウ素反応により着色した寒天培地

 細菌を寒天培地上に繁殖させた後,ヨウ素反応で細菌の寒天分解能力を確認します。写真のように,細菌のコロニー周辺は,色が抜けています。これで細菌の活性がわかります。

食中毒の原因となる細菌類

寒天培地上でコロニーを形成したビブリオ属細菌
海洋細菌の顕微鏡画像。細胞本体から1本の鞭毛が伸びている。

 魚介類は肉質が軟弱であるため,不適切な管理下では,すぐに腐敗してしまいます。写真は食中毒の原因細菌類(ビブリオ属のコロニー:左,腐敗性の強い海洋細菌:右)を示しています。