2025(R07). 6.25 さんま漁船によるアカイカ釣り兼業の可能性を実証
令和 7 年 6月25日
国立研究開発法人 水産研究・教育機構
さんま漁船によるアカイカ釣り兼業の可能性を実証
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概要
水産研究・教育機構 開発調査センターは、不漁対策の一環として、大型さんま漁船によるアカイカ釣りの兼業試験を実施しました。令和 7 年 2 月~3 月に三陸沖で実施した簡易改造船(自動イカ釣り機 5 台、漁灯はさんま操業で使用する漁灯を使用)による調査結果を踏まえ、同年 5 月 16 日~6 月 29 日に、いか釣り専業船と同等の自動イカ釣り機 20 台と漁灯を搭載した調査船が、北太平洋公海域での操業調査を実施しました※。
大型さんま漁船は、いか釣り専業船とは船体構造が異なり、漁獲物の運搬や船内処理作業の一部を人海戦術で行ったため、アカイカの取扱いに慣れない乗組員には困難な状況もありましたが、35 日間の操業で計 80 トンのアカイカを漁獲しました。操業 1 日あたりの漁獲量は専業船とほぼ同等であったことから、漁獲量の面では、大型さんま漁船によるアカイカ釣り兼業は可能と判断されました。
調査船は 6 月 29 日に根室港に帰港し、根室漁協にて凍結製品の販売試験を行います。併せてアンケート調査等により製品の品質を評価し、船内処理作業の改善点等を明らかにします。
今後は、販売収益と装備コスト等を比較して兼業操業の採算性を評価します。

アカイカ操業にチャレンジしたさんま漁船の乗組員

アカイカ凍結製品の例
※関連情報 2025(R07). 5. 1 さんま漁船のアカイカ釣り兼業に向けた実証調査第2弾を実施
お問い合わせ先
国立研究開発法人 水産研究・教育機構 開発調査センター TEL:045-277-0184
実証化企画室 溝口弘泰 漁業第三グループ 加藤慶樹 鈴木大智