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2021(R03). 8.17 新種のノリを発見、センジュアマノリと命名

令和 3年 8月 17日

国立研究開発法人 水産研究・教育機構
千葉県立中央博物館分館海の博物館

新種のノリを発見、センジュアマノリと命名

 

 

  • 山口県と千葉県で採集したノリを培養して葉状体の形態観察及び分子系統分析を行ったところ新種であることが確認されました。このノリは、葉状体基部の細胞から新たな葉状部が発出するという今まで確認されていない独特な生長過程を持っており、その特徴からセンジュアマノリと命名しました。

 

 日本の海面養殖業生産量の第一位はのり類(令和元年251千トン)ですが、板海苔の主な原料はスサビノリです。一方、岩のりに代表される地域的に利用されている種類はウップルイノリなどで、多くの種類のノリが産業利用されています。近年の気候変動に影響を受けてノリの生育環境も変化すると考えられる中、水産研究・教育機構水産大学校では養殖に用いる新たなノリの探索のための調査を行ってきました。
 この調査の中で山口県下関市で採集したノリを培養したところ、独特の生長過程を持つことがわかり、千葉県立中央博物館分館海の博物館と共同研究を進めた結果、下関市で発見したノリと海の博物館が千葉県大原町(現いすみ市)及び銚子市で採集、保存培養していたノリが、同じ種の新種であることが判明しました。
 今回発見した新種のノリは、その生長過程で葉状体基部の細胞から新たな葉状部が発出するという他のノリにない特徴を持っており、生長すると四方に手を広げているように見えることからセンジュアマノリ(千手甘海苔)と命名しました。また、学名は本種の最初の発見者でもあり、ノリ研究の第一人者である鬼頭鈞水産大学校名誉教授に献じて Neoporphyra kitoi としました。


 この研究成果は、2021年7月15日に、日本藻類学会の英文誌 Phycological Research  にオンライン掲載されました。

 

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