さば類市場の変貌と産地対応
[要約]
近年のサバ供給は、国内産の減少によりノルウェー産等の輸入が増大している。国内加工産地は、輸入ものが選別入荷されるのに対応して専門分化を進めた。今後、国内生産が回復した場合、分化した加工産地に再配送する体制が必要となってくる。
中央水産研究所・経営経済部
[連絡先] 045-788-7671
[推進会議] 中央ブロック水産業関係試験研究推進会議
[専門] 水産経済
[対象] さば
[分類] 行政
[背景・ねらい]
サバの輸入が増大し消費や流通の動向も変化している。このためこれらの動向を分析し、国内産地の漁業・流通・加工の対応を検討する。
[成果の内容・特徴]
- マサバの漁業生産の減少は、近海資源の減少と、我が国の巻き網漁業による未成魚漁獲によって減少している。そのためには早急に漁業管理 体制を改善する必要がある。(図1、図2)
- 近年のさば類の消費は、他の青魚と同様に生鮮形態での消費は低迷し、価格を安くしても消費が伸びない減少がみられ、これに変わってフィ レー加工品の消費が伸びている。(図3)
- マサバの各加工産地は、サイズ別に選別されたマサバが大量に輸入されるために、八戸ではシメサバ加工に、銚子・唐津は塩サバとフィレー 加工に特化するなど、各加工産地の専門分化が進んでいる。
- 国内の生産回復に備えて、各地の漁港に水揚げされたサバを、選別して専門化した加工産地に再配送し、さらに漁業生産管理を流通面から推 進することが必要である。そのためには、水揚港の特定や集中化そして再配送する流通システムの構築が必要である。
[その他]
研究課題名:水産物マーケットの変化の解明
予算区分 :経常研究費
研究期間 :平成7年度(平成6年~8年)
研究担当者:多屋勝雄
発表論文名:サバ類市場の変貌と産地対応、漁業経済研究、40巻2号,1995