知的財産ポリシー
平成18年11月13日付け18水研本第1177号
改正 平成25年 4月 1日付け24水研本第50325003号
改正 平成28年 4月 1日付け28水研本第80101013号
改正 令和 2年12月15日付け 2水機本第20120305号
国 立 研 究 開 発 法 人 水 産 研 究 ・ 教 育 機 構 ( 以 下 「 機 構 」 と い う 。) は 、 我 が 国 の水産業の発展に科学技術的側面から貢献し、水産基本法の基本理念である「水 産物 の 安定 供 給」 と 「 水産 業 の健 全 な 発展 」 に資 す るこ と を目 的に 、機 構の 研 究開 発 成果 を 論文 等 で 公知 す ると と も に、 産 業界 を 含む 社 会に 当該 技術 を移 転 する こ とで 、 技術 の 発 展や 向 上に よ り 社会 貢 献す る こと が 重要 な使 命で ある 。 こ の ため 、 戦略 的 に 特許 、 ノウ ハ ウ 等の 知 的財 産 権を 取 得、 管理 し、 活用 を 図る基本的な方針をとりまとめ、知的財産ポリシーとして内外に明示する。
1.知的財産の取扱いについての基本的な考え方
機 構 は、 水 産業 の 現 場等 で 活用 さ れ てこ そ の研 究 開発 成 果で ある との 基本 的 な考 え 方の 下 、我 が 国 の社 会 及び 水 産 業に 最 大限 の 価値 を もた らす こと がで き るよ う 、実 用 化の 際 の ビジ ネ スモ デ ル を見 据 えて 戦 略的 に 研究 開発 成果 をマ ネ ジメントする。 機 構 役職 員 及び 役 職 員以 外 で機 構 の 業務 に 携わ る 者( 以 下「 役職 員等 」と い う 。) は 、 得 ら れ る 成 果 の 取 り 扱 い に つ い て 、 研 究 開 発 の 全 段 階 に お い て 、 次 の3方法のいずれを選択すべきかを意識して、研究開発に取り組む。
① 論 文 発 表 等 に よ り広 く 周 知し 、公 立 の 試験 研 究機 関 や普 及 組 織を 通 じ て広く普及する。
② 知 的 財 産 権 と し て権 利 化 し、 実施 許 諾 先の 企 業活 動 を通 じ て 普及 を 図 る。
③ ノウハウとして秘匿したうえで内部管理し、管理の下で技術移転する。
2.研究開発成果の戦略的な取得、管理、活用
(1)研究開発の全段階を通じた取組 役 職 員等 は 、日 頃 か ら研 究 開発 テ ー マの 国 内外 の 特許 取 得状 況や 技術 動向 を 調査 し 、そ の 研究 開 発 テー マ の産 業 界 等に お ける 位 置付 け 、そ の方 向性 を把 握 した 上 で、 研 究開 発 成 果を 誰 に活 用 し ても ら い、 活 用す る 側に どの よう な形 で 渡す の が適 当 か等 、 研 究開 発 の企 画 段 階か ら 利活 用 につ い て具 体的 な目 標を 持 つとともに、知的財産権の確保も念頭に置いて研究開発の推進に努める。 共 同 研究 を 行う 場 合 には 、 研究 開 始 前の 段 階で 研 究開 発 成果 の利 活用 方針 に ついて合意するものとする。
(2)研究開発成果の情報管理 研 究 開 発 成 果 を 外 部 に 公 表 す る と 、「 新 規 性 喪 失 の 例 外 規 定 」 を 適 用 す る 以 外に は 、当 該 成果 に 係 る発 明 を特 許 に する こ とが で きな い 。ま た、 ノウ ハウ と して内部管理下で技術移転することも不可能となる。 こ の こと か ら、 役 職 員等 は 、研 究 開 発成 果 につ い て、 戦 略的 なマ ネジ メン ト (公 表 、権 利 化、 及 び ノウ ハ ウ化 、 並 びに 、 これ ら の組 み 合わ せ) を意 識し 、 対外公表や公表時期について留意し、適切な情報管理に努める。
(3)社会実装を見据えた戦略的な公知化・権利化・ノウハウ化 知 的 財 産 の 取 扱 い 方 針 の 選 択 に 当 た っ て は 、「 権 利 化 ・ ノ ウ ハ ウ 化 が 妥 当 で なく 、 公開 に より 技 術 が累 積 的に 進 歩 し、 産 業の 発 達に 寄 与す るこ とが 見込 ま れる 場合等は 公知化」、「 独占的実施 許諾により 企業等が 安心して 開発投資で き る、 非 独占 的 実施 許 諾 によ り 複数 の 企 業等 に 事業 機 会を 供 与で きる 、将 来の 成 果の た めの 研 究資 金 や リサ ー チツ ー ル 使用 権 限の 獲 得に 貢 献で きる など 、社 会 実装 される機 会が増え ると見込ま れる場合 等には権 利化」、「海外 への技術流 出 を防 止 する 必 要が あ る 、将 来 の成 果 を 権利 化 する た めに 研 究を 継続 する 必要 が ある 場 合等 に はノ ウ ハ ウ化 」 のよ う に 公知 化 、権 利 化、 ノ ウハ ウ化 のメ リッ ト ・デ メ リッ ト を十 分 に 比較 考 量し た 上 で、 研 究開 発 成果 を 最大 化で きる よう 戦 略的に取扱い方針を選択する。
3.知的財産の利活用の促進
(1)企業との連携
① 単一 の 知 的財 産 とし て 実 用化 可 能な 技 術につ いて は、 共同 研究 等で 連 携 す る 企 業 で の 利活 用 を 促 す こ と が 有 効で あ り、 研 究 開発 成 果を 知 的 財 産として共有することを基本として、積極的に企業等との連携を進める。 ② 知 的 財 産 を 含 む 複 数 の 要 素 技 術 が 実 用 化 に 必 要 と な る 技 術 に つ い て は 、 活 用 す る 側 に、 利 活 用 可 能 な 要 素 技術 の 組み 合 わ せと し て渡 す 必 要 が あ る た め 、 企 業等 と の 安 易 な 連 携 は 要素 技 術の 散 逸 を招 き 有効 で は な い。 その た め、 実用 化に 複数 の要 素技 術が 必要と なる 技術 の研 究開 発に 当 たっては、独自開発の可能性も考慮すると共に、連携が必要な場合には、 得 ら れ る 研 究 開 発成 果 が 一 部 の 要 素 技 術で あ るこ と を 共通 認 識と し た 上 で、その利活用方針について予め合意するものとする。
(2)効果的な実施許諾及び譲渡
① 単一の知的財産として実用化可能な技術については、許諾先企業等が、 技 術 を 独 占 で き ない と 事 業 化 に 踏 み 切 れ ない 場 合や 、 当該 知 的 財産 権 の 産 業 化 の 促 進 が 見込 ま れ 、 か つ 公 益 性 、 公平 性 の観 点 から 見 て も問 題 が な い と 判 断 さ れ る場 合 に は 、 対 外 的 な 透 明性 に も十 分 配慮 し つ つ、 一 定 期間に限り独占的な実施権を付与することや、無償実施許諾を行う。 実 用 化に 複 数の 要 素技 術 が 必要 と なる 技術 につ いては 、活 用す る側 に 利 活 用 可 能 な 要 素技 術 の 組 み 合 わ せ と し て渡 す 際に 、 要素 技 術 それ ぞ れ に つ い て の 実 施 料が 累 積 し て 多 額 に な り 実用 化 を妨 げ るこ と が ない よ う 留意する。
② 知的財産権の利活用を促進する上で真に合理的と認められる場合には、 透 明 性 や 公 平 性 の確 保 な ど 一 定 の 条 件 の 下で 、 当該 権 利を 原 則 とし て 有 償で他に譲渡する。
③ 大 学 等が 行 う非 営 利目的 の研 究開 発に つい ては 、可能 な限 り研 究開 発 の 自 由 度 を 確 保 し、 原 則 と し て 簡 便 か つ 迅速 な 手続 き によ り こ れを 供 与 する。その対価については、実費を除き原則として無償とする。
4.知的財産に関する機構・役職員等の責務
(1)機構の責務 機 構 は、 発 明補 償 金 を発 明 者に 支 払 うと と もに 、 知的 財 産権 取得 への 貢献 を 個人業績の評価に反映させる。 ま た 、役 職 員等 の 意 識向 上 のた め 、 知的 財 産に 関 する 基 礎知 識と 共に 、本 ポ リシ ー の基 本 方針 及 び 運営 方 法等 を 役 職員 へ 周知 徹 底し 、 随時 研修 を行 うも の とし 、 研究 開 発時 、 共 同研 究 時、 出 願 時等 、 研究 管 理者 並 びに 知的 財産 担当 部 署への相談を徹底させる。
(2)役職員等の意識向上と責務 役 職 員等 は 、研 究 開 発成 果 の戦 略 的 な取 得 、管 理 、活 用 を日 頃か ら意 識し 、 機構 の 知的 財 産権 の 確 保や 利 活用 の 方 針に 反 する こ との な いよ う、 知的 財産 に 関す る 基礎 知 識の 習 得 、及 び 本ポ リ シ ーの 意 義と 内 容の 理 解に 努め る。 また 、 機 構 の 知的 財 産が 不 正 に流 出す る こ と のな いよ う 、 厳に 知的財 産に 係る 情報 セ キュリティの確保に努める