生理機能部
養殖飼料の主原料は天然魚から生産される魚粉であり、養殖対象種の多くは天然種苗(稚魚や稚貝)に頼っています。持続可能な養殖業のためには、天然資源に依存しない飼料と種苗が必要です。そのため生理機能部では、魚粉を減らした養殖飼料の開発と人工的に種苗を生産する繁殖技術の開発を進めています。また、ブリやマダイなどの魚類養殖では生産コストの多くを飼料代が占めていることから、養殖業者の経営安定化のために、高騰する魚粉をより安価な原料に代替するための研究開発を行っています。
生理機能部は、飼餌料グループと繁殖生理グループで構成されています。
飼餌料グループ
現在の魚粉代替原料は魚粉より栄養価が劣るため、魚の消化生理に基づき魚粉含量を減らしてもよく食べて消化も成長もよい飼料を開発しています。さらに、これまで使われていなかった単細胞生物や昆虫などを新たに飼料原料化する研究に取り組んでいます。
繁殖生理グループ
繁殖の調節メカニズムを調べ、飼育環境の調節や成熟・産卵を促進するホルモンを投与して飼育下で良質な受精卵を得る技術の開発を進めるとともに、成熟による成長低下を防ぐ技術やゲノム編集により初期成長を向上させる技術の開発に取り組んでいます。