シラスウナギ生産部
ウナギの養殖用種苗であるシラスウナギは完全に天然に依存しています。しかし、その漁獲量は大きく変動するため、価格が乱高下し、養鰻業者の経営上の問題となっています。また、その資源量が大幅に減少したため、「近い将来、野生での絶滅の危険性が高い」とされる「絶滅危惧種(EN)」として国際自然保護連合のレッドリストにも掲載されています。これらのことから、養殖種苗用のシラスウナギを天然種苗から人工種苗に置き換えていくことが強く望まれています。シラスウナギ生産部では、人工シラスウナギの安定供給のために必要な、親魚の養成・催熟・採卵技術、安定的に供給可能で良質の飼料、仔魚の高生産性量産飼育システム、短期間でシラスウナギの生産を可能とする育種などの研究開発を行っています。
シラスウナギ生産部は、基盤グループと量産グループで構成されています。
基盤グループ
親魚養成・採卵技術、高成長を実現する仔魚用飼料など、効率的な種苗生産の基盤となる技術に関する研究を行なっています。また、ウナギでは長い仔魚期間が安定した種苗生産の大きな妨げとなっているため、育種による仔魚期間の短い系統の作出も試みています。
量産グループ
シラスウナギの大量生産システムの構築に不可欠である、高生産性水槽、自動給餌装置、飼育システムなどの研究開発および実証試験に取り組んでいます。