国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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軟弱地盤における多段タイロッドを有する矢板式係船岸の挙動

水産工学研究所 水産土木工学部 漁港施設研究室
[連絡先]0479-44-5940
[推進会議]水産工学
[専門]水産土木
[研究対象]
[分類]行政


[ねらい・目的と成果の特徴]

  • 軟弱地盤上に重力式係船岸を整備すると、地盤改良などの対策が必要となり、多大の建設費がかかる。一方、矢板式係船岸は重力式に比べ建設費が少ないものの、軟弱地盤上では上端付近で大きな変形の発生が危惧される。このため、タイロッドの段数の増加、矢板と控え杭の距離の増加などによる変形抑制効果を検証し、軟弱地盤上でも安定、かつ変形の小さい矢板式係船岸の断面形状を明らかにする。
  • タイロッドの段数、矢板と控え杭の距離などを種々に変えた室内遠心載荷模型実験、数値シミュレーションにより検討した結果、タイロッドの段数の増加、及び矢板と控え杭の距離の増加が、矢板の水平変位、分布荷重、曲げモーメントの抑制に効果的に作用することが明らかになった。


[成果の活用面等]

  • 多段タイロッドを有する矢板式係船岸の有効性が示唆されたことにより、建設コスト縮減に配慮して軟弱地盤上に係船岸を整備する場合の技術資料として利用できる。


[具体的データ]

図1
図1:遠心載荷模型断面図

 

図2
図2:矢板の水平変位の深度分布(60G)

 

図3
図3:分布荷重の深度分布(60G)

 

図4
図4:曲げモーメントの深度分布(60G)
タイロッドの段数の増加に伴い、矢板の水平変位、分布荷重、 曲げモーメントの最大値が小さくなっていることが判る。