理事長からメッセージ
国立研究開発法人水産研究・教育機構は、その前身を1897年の農商務省水産検査場、水産講習所試験研究部が設置されたことに遡れ、水産国日本の130年近くの歴史と規模ともに世界にまれに見る水産に特化した研究・教育、そして社会実証まで行う機関です。
独立行政法人としては、平成13年に水産庁所属の9研究所を統合した水産総合研究センターとして発足以来、海洋水産資源開発センター、日本栽培漁業協会、さけ・ます資源管理センター、水産大学校と順次統合し現在の体制になりました。平成27年には国立研究開発法人となり、今年は10年目という節目でもあります。
当機構は、水産物の安定供給と水産業の健全な発展に貢献するため、水産分野における研究開発と人材育成を推進しその成果を最大化し社会への還元を進めることを基本理念として活動を続けております。
令和3年度から7年度までの5ヵ年を一期間として、農林水産大臣から中長期目標が示され、法人として第5期中長期計画を策定し活動しております。本期間は研究開発部門を「水産資源研究所」と「水産技術研究所」に再編し、その2分野に加えて「開発調査センター」を中心とする社会実装・企業化分野、「水産大学校」を中心とする人材育成分野を柱として研究開発を戦略的に取り組んでまいりました。
また、令和6年3月以降、研究分野を網羅した成果の最大化を目的とした、情報セキュリティ対策、機構横断的な研究企画体制の構築、および地域との連携を強化するため組織を改正して業務に取り組んでまいりました。当計画期間も最終年となり目標の達成に向けて、さらに次期中長期計画策定等に向けて大変重要な年となっています。
これまで想定されていなかった海洋環境の大きな変化が生じている中、時代に即した効果的な研究開発の実現に向け、各研究開発分野の使命を全うするばかりでなく問題に応じて分野横断的に取り組み、機動的な対応を図ってまいります。引き続き、研究課題の重点化等による研究開発成果の最大化、人材育成業務における教育内容の高度化に取り組んでまいります。
当機構は、科学技術を基盤とした日本の水産業の持続的な発展と成長産業化を造り上げ「おいしいさかなをいつまでも」食べられるよう、貢献していきます。
令和7年4月1日
国立研究開発法人 水産研究・教育機構 理事長 中山 一郎