2022(R04). 8.19 底びき網漁具の改良による船上作業の軽労化と収益性改善に向けた取組
令和 4年 8月19日
国立研究開発法人 水産研究・教育機構
秋田県水産振興センター
底びき網漁具の改良による船上作業の軽労化と収益性改善に向けた取組
-秋田県北部地区をモデルケースとした底びき網漁業の実証調査が完了-
- 簡単な漁具改良で不要物の入網を大幅に減少させ,船上選別作業時間を約4割短縮
- トヤマエビの活出荷手法の構築や低利用魚の有効活用により販売収入が増加
国立研究開発法人水産研究・教育機構開発調査センターは,秋田県水産振興センターと連携して,平成29年度から底びき網漁業の船上作業の効率化と収益性の改善を図るための実証調査を実施しました。本調査は,秋田県北部地区の底びき網漁業をモデルケースとして,船上作業の軽労化を図るための漁具改良と漁獲物の付加価値を向上させる取組の成果を得たことから,令和4年度をもって終了します。
漁具改良では,漁業者が現時点で使用している漁具に1日程度で簡単に導入できる工夫を加えることで,漁獲物と一緒に大量入網する小型ヒトデ類等の不要物の入網量を大幅に減少させることができました。同時に,水揚げ対象となる有用魚種は改良前と同程度得ることもできました。また,不要物の入網減少効果を活かしてトヤマエビの活出荷手法を構築するとともに,現地の低利用魚種を対象に一定以上の単価が得られるための取組を継続し,漁獲物の付加価値向上と販売収入の増加につなげました。
以上の成果は,底びき網漁業の操業効率の向上と収益性の改善に向けて有効的に活用されることが期待できます。漁具改良の成果は既に秋田県の漁業者支援施策に活用されて普及が進んでいます。これらの成果が,ハタハタの記録的不漁に見舞われている秋田県の底びき網漁業における新たな生産体制の確立に役立つことを期待しています。
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