ひき縄漁業におけるビンナガ漁況予測
和歌山県農林水産総合技術センター水産試験場 沿岸沖合資源部
[連絡先]0735-62-0940
[推進会議]遠洋漁業
[専門]資源評価
[研究対象]ビンナガ
[分類]研究
[ねらい・目的と成果の特徴]
- 潮岬沖の黒潮の離接岸状況と八丈島での黒潮流路を把握することで、ひき縄漁業で漁獲されるビンナガの精度の高い漁況予測を提供する。
- (1)潮岬沖のひき縄によるビンナガの漁獲は、およそ黒潮が潮岬沖に接岸し八丈島の北側を流れるときに好漁となり、潮岬沖から離岸し八丈島の南側を流れる黒潮蛇行年に不漁となる。
- (2)その漁期は、黒潮が潮岬沖に接岸すれば長くなり、離岸すると短くなる傾向がある。
- (3)1999-2001年のように大型魚(90-100cm級)が漁獲主体の年は不漁となる。2002年は小型魚(70cm級)が主体となり4年ぶりに好漁となった。
[成果の活用面等]
- 潮岬沖に冬季~早春に来遊し、ひき縄漁業の対象となるビンナガ漁況は、潮岬沖の黒潮の離接岸と八丈島での黒潮流路を把握することで、漁況予測に活用できる可能性が示された。さらに、来遊群の組成も好不漁の有効な指標となることがわかった。
[具体的データ]
図1:黒潮とビンナガの漁獲量(串本、ひき縄)
図2:ビンナガの年別体長組成(串本、ひき縄)