国立研究開発法人 水産研究・教育機構

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有明海における浮きガザミの「たも網」及び「すくい網」による漁獲実態の解明

[要約]
 加入資源乱獲の懸念される「たも網」及び「すくい網」によって漁獲される抱卵ガザミの漁獲実態を明らかにすることで、効果的な資源保護策の展開を図った。


熊本県水産研究センター・資源研究部
[連絡先]0964-56-5111
[推進会議]西海ブロック
[専門]資源生態
[対象]がざみ
[分類]行政


[背景]
 熊本有明海及び天草有明海域において海面に浮上した「浮きガザミ」を漁獲する漁法が盛んに行われるようになり、その漁法がマスメデイアに取り上げられ、漁業者のみならず遊漁者まで漁獲するようになった。
 また、漁獲されるガザミはそのほとんどが大型の抱卵雌であるといわれており、それによる資源への悪影響が懸念されたため、熊本県有明海区漁業調整委員会では平成12年から、熊本県天草不知火海区漁業調整委員会では平成13年から当該漁法を期間及び区域を区切って漁獲を禁止する委員会指示を発令している。そこで、効率的な管理施策を展開するため当該漁法の漁獲実態について調査した。


[成果の内容・特徴]

  • 市場調査の結果、6月上中旬に漁獲されるガザミは大型の雌が9割を占め、さらに抱卵率も高く、ハッチアウト寸前の卵を持ったガザミが多かった。(図1、2)
  • 6月下旬以降は、雄の漁獲割合が高くなり、さらに漁獲物が小型化した。(図1、2)
  • 標本船調査及び伝票調査により、漁期は5月中旬から開始され6月上旬から中旬が盛期であった。(図3、4)
  • 漁場は有明海中央部の湯島付近で形成され、その後湾奥部に操業区域が拡大した。


[成果の活用面・留意点]

  • 本調査結果により、効果的な指示の禁止期間は6月上中旬であることが示唆された。
  • 有明海のガザミ資源の動態を明らかにすることで、より効果的な資源管理施策の展開を図ることが可能となる。

 

図1

 

図2


図3

 

図4
 


[その他]
研究課題名:複合的資源管理推進事業
予算区分:国庫補助
研究期間:平成12~13年度
研究担当者:山下博和、内川純一、平山泉